開業準備編 3 フリーランスのビジネスモデル

こんにちは。 
勤めていたスタートアップ企業が奮闘むなしく廃業してしまい、思い切って起業してみようということで貯金もあてもないまま活動を始めた、かけだし起業家の半沢です。
私の起業までの様子をリアルタイムで投稿しています。

コロナワクチン3回目接種の副反応で先週はダウンしていました。
前回からの進捗としては名刺作成をしたり、ビジネスモデルを見直したり、国民健康保険国民年金への切り替えについて調べていました。

今回はその中でフリーランスのビジネスモデルについて記事にまとめてみました。

この記事のまとめ


  • 広告収入モデルフリーミアムモデル個人で簡単にできるようになってきた

  • プラットフォーム利用料は完全に胴元依存

  • 収益安定化のためにも複数のビジネスモデルを組み合わせた事業の進め方をしていくのが安心


フリーランスのビジネスモデル

ビジネスモデルとは簡単にいうと「モノ・サービスを提供して、お金をもらう仕組み」のことです。
大企業が年間数億円売り上げるのはもちろん、ビジネスモデルを意識しないで活動しているフリーランスであろうとスキマ時間にやっている副業で数百円稼ぐ程度であろうと、お金を稼いでいるということは、そこには稼ぐ仕組み=ビジネスモデルが存在します。

ちなみにビジネスモデルには代表的なモデルが11つあり、世の中のビジネスモデルは基本的にこれら11のモデルの一部を変えるなり付け足す、または組み合わせるなどで成り立っているといわれています。
例えば、従来の物を作って販売する手法は「物販モデル」というビジネスモデルに分類されますし、アフィリエイトは「広告モデル」、サブスクリプションはそのまま「サブスクリプションモデル」と呼ばれています。

今回はそんなビジネスモデルの中で、フリーランスの代表的なビジネスモデルに絞って調べてみました。
それぞれの特徴(メリットデメリット)を比較してみることで自分に合ったビジネスというものを検討できたら良いなという考えです。

直観的に理解しやすいようにそれぞれのビジネスモデルを図解しています。

※今回の図はチャーリー様の「図解が簡単にできるツールキット」で作成しています。記事の下の方のリンクからダウンロード可能です。
たくさんのビジネスモデルを紹介されいているので、もっと様々なモデルを知りたい方にお勧めです。

ピックアップしたフリーランスのビジネスは以下です。
物販モデルで代表的なのはラーメン屋」のような「○○モデルで代表的なのは××」というビジネスモデルベースの紹介ではなく、
YouTuberのビジネスモデルは広告モデル」のように「××のビジネスモデルは○○」といった職業ベースの紹介のほうが具体的にイメージしやすいと思うので職業別で紹介していきます。

  • 飲食店や小売店などの個人店舗

  • ネットせどり

  • ライター、イラストレータ

  • デザイナーやエンジニアの請負

  • YouTuber

  • TikToker

  • アフィリエイター

  • note有料記事

■飲食店や小売店などの個人店舗

従来からあるビジネスモデルです。
実店舗やネット店舗を構えて商品を販売します。お客さんは店舗に訪問して気に入った商品があれば購入します。ラーメン屋や雑貨屋などが当てはまります。
商品の企画から販売までの全工程を行う場合は物販モデル、完成品を仕入れて販売のみを自身で行う場合を小売りモデルといいます。

メリット

  • ネット店舗よりも認知してもらいやすい

デメリット

インターネットが普及してからはECサイトでモノを買えるようになり、とくに小売りモデルに関してはAmazon楽天市場、YahooショップなどのECサイトプラットフォームができたことで個人でも簡単に出店することが可能になりました。
ちなみに小売りモデル最大手はAmazonです。

最近ではブランディングや他店舗との差別化といった理由で上記プラットフォームを利用したくない人向けにBaseなどのECサイト機能のみを提供する企業も出てきました。

メリット

  • 簡単に始めることができる

デメリット

  • 手数料が発生する

■ネットせどり

せどり(≒転売)のビジネスモデルは小売店と同じです。
ただし安く仕入れて高く売る部分に注力しているので、取り扱う商品に制限がない点や新品・中古品両方を取り扱うこと、販売先が同業者であったり一般消費者であったりします。
ECサイトが発展したことで気軽に出店している人もいますが、買い手が決まっている(リサイクルショップや古本屋など)場合は出店する必要もありません。

ちなみに転売ヤーと呼ばる方々は、利益を得るために不当に買い占めを行い市場価格が高騰したところで商品を販売するという行為を行うため非難されます。
本来の転売やせどりはモノの流通を促す商売の基本ですのでそれ自体は商売の基本ですので悪いことではありません。
https://www.landerblue.co.jp/56220/

メリット

  • 流行やニッチな需要をつかむことができればそれなりの収益が望める

デメリット

  • 調査が大変

■ライター、イラストレータ

ライター、イラストレーターは自身の制作物を販売するので物販モデルになります。
仕事を発注してくれるクライアントの形態はさまざまだと思いますが、今回は広告費で収益化しているクライアントと仮定しています。
事業者本人のビジネスモデルは物販モデル1つですが、クライアントから受注を受けるまでの流れによって3パターン図を作成しました。

1つ目はクライアントから直接受注を受けた場合。
2つ目はクラウドソーシングを利用した場合。
3つ目はSNSなどで依頼をもらう場合。

1つ目の直接受注は価格や納期などの交渉がしやすいなどのメリットはありますが、クライアントとつながるのが他と比べて難しいです。
有名ライターやイラストレーターであればクライアント側から探して見つけてくれますが、独立したばかりだと実力があったとしても、実績ゼロ、顧客リストゼロ、知名度も高くない状態では仕事もゼロになります。

メリット

  • 価格や納期などの交渉がしやすい

  • クライアントに気に入ってもらえれば継続的に依頼をもらえる

デメリット

  • 受注までのハードルが高い

2つ目のクラウドソーシングは仲介業者の運営するサイトで仕事を探すやり方になります。2000年代になりネットが発展したことで一気に利用が拡大した印象です。ランサーズ、クラウドワークスが有名です。
この場合はクライアント側も仕事を頼む相手を探している状態ですので、知名度がなくとも条件が合えば仕事をもらえます。
受注しやすい反面、仲介手数料取られることや、クライアントとの信頼関係がゼロの状態が多いので価格や納期についての交渉がしにくいなどのデメリットがあります。
仲介手数料は運営業者によって様々ですが大体売り上げの10%程度です。

デメリットだけを見ると他の方法と比較して見劣りしてしまいますが、進捗管理レビュー機能によってクライアントも事業者もある程度リスクを抑えつつ相手を選べることや、クライアントに気に入ってもらえた場合は2回目以降直接仕事をもらえたりもするのでビジネスの最初の足掛かりとしては有効だと思います。

メリット

  • 受注を受けやすい

デメリット

  • 仲介手数料がかかる

  • 価格や納期の交渉がしにくい

3つ目はSNSです。SNSで自身の作品を公開することで、多数の人に見てもらい、仕事の依頼を待つやり方です。
仕事相手のマッチングサービスであるクラウドソーシングに比べると仕事の受注率は下がるかもしれませんが、価格交渉や納期交渉はしやすいです。また仲介手数料を取られないのは大きいです。
ただしこちらもSNSのフォロワー数が多くないとなかなか仕事がもらえないです。

メリット

  • 無料で自分の作品を気に入った人とつながれる

デメリット

知名度の低いうちはクラウドソーシングなどで低単価でも仕事を受けて実績をつけつつ、SNSで認知度を向上させる。徐々にクラウドソーシングで受ける仕事の割合を減らして直接受注やSNSでの依頼を増やしていくという流れになるのかなと思いました。

■デザイナーやエンジニアの請負

デザイナーやエンジニアによるあるパターンが受託開発になるかと思います。受託開発もおそらく物販モデルになります。
最初に紹介した飲食店や小売店などの個人経営店舗と流れはほぼ同じです。
ただしデザイナーやエンジニアの場合は、利用者が一般消費者ではなく企業であることからBtoCビジネスではなくBtoBビジネスであることが一番大きな違いになります。
1件当たりの売り上げが最低でも数十万からになりますが、そのぶん納品までに必要とされるリソースが多く、拘束される時間も長いです。

メリット

  • 価格や納期などの交渉がしやすい

  • クライアントに気に入ってもらえれば継続的に依頼をもらえる

デメリット

  • 受注までのハードルが高い

日本でも収入を増やすために副業としてWebサイトやスマホアプリなどの開発案件を受注する人も増えてきています。
ただしハードの開発や数百万円以上の案件になってくると直接契約、直接受注がいまだに多い印象です。

メリット

  • 受注を受けやすい

デメリット

  • 仲介手数料がかかる

  • 価格や納期の交渉がしにくい

金額が大きいだけに受注までのハードルが高いので、受注するまでに時間がかかります。
デザイナーやエンジニアがこのビジネスモデルで自立する場合は、独立準備段階で会社員時代の顧客や知人の紹介である程度受注がもらえる見込みを作っておくことが大事になります。

■YouTuber

ここ数年で認知度が上がっているYouTuberです。
収益源は主に2つあります。
1つは投稿動画に挿入される広告表示による広告モデル
YouTubeでは1回の広告再生で広告主は運営会社Googleに2~25円を支払います。そのうち45%がGoogleの取り分、55%がyoutuberの取り分といわれています。

メリット

  • ある程度認知度が上がるとプロモーションに使える

デメリット

  • 収益化までのハードルが極めて高い

もう一つはスーパーチャット(ライブ配信)で閲覧者からお金を投げ入れてもらう文字通り投げ銭モデルです。
投げ銭モデルの場合は約30~50%を手数料としてGoogleが徴収します。

メリット

  • ファンとのコミュニケーションができる

デメリット

  • 収益化までのハードルが極めて高い

YouTubeに限った話ではないですが広告モデルと投げ銭モデルは、先に紹介したECプラットフォーム利用手数料やクラウドソーシング仲介手数料の相場が10%程度であるのに対して、運営側の取り分が50%以上の場合が多いのが特徴です。

■TikToker

YouTuberと同じく認知度急上昇しているTikTokerのビジネスモデルは投げ銭モデルになります。
興味深いのは投げ銭の手数料が75%に設定されている点です。YouTubeのスーパーチャット手数料が30~50%でしたがそれよりも高く設定されています。利用者がライブ配信者に100円払っても実際には25円しか届かない仕組みになっています。
TikTokも大きなプラットフォームなので人気配信者であれば25%だとしても十分な金額になるかとはおもいますが、投げ入れる側からしてみると自分の気持ちの1/4しか届いていないことになります。
SIAM SHADEが「壊れるほど愛しても三分の一も伝わらない」と歌っていましたがそれ以下ですね…

メリット

  • ファンとのコミュニケーションができる

デメリット

  • 還元率が25%しかない

■アフィリエイター

自身のブログサイトなどに紹介リンクを貼って、クリックしてもらったり紹介した商品を購入してもらうと報酬をもらえる仕組みがアフィリエイトです。これは広告モデルに該当します。
YouTubeアフィリエイトといえる気もしますが、自身の運営するサイトにリンクを貼る点や、表示させる場所を決められる点などから別物として取り上げています。
楽天市場Amazonに申請してそのECサイトのリンクを直接張るパターンと、A8.netなどのアフィリエイト仲介業者に登録して間接的にリンクを張るパターンの2パターンがあります。
後者は様々な広告主の商品を紹介できるので範囲が広いですが、仲介業者がいることで利益率が下がる可能性が高いです。
Googleアドセンスなどの他のアフィリエイトト比較して高報酬ものもありますが、審査が厳しかったり他のアフィリエイトサービスとの併用が不可のものもあります。

メリット

  • 気軽に始めることができる

デメリット

  • 収益化までに時間がかかる。

  • 継続できずに挫折しやすい

■note有料記事

noteには記事を無料公開・有料公開どちらにするか選べますが、これはフリーミアムに該当します。
基本的な記事は無料で公開して多くの人に見てもらい、特別な記事は有料化してそれでも見たいという一部の利用者に購入してもらいます。
Web上のフリーミアムとして「無料ユーザー95%」対「有料ユーザー5%」でもビジネスが成立する5%ルールというのが有名です。
スマホアプリでよくあるアプリ内課金などがこれに該当します

メリット

デメリット

  • 手数料が発生する

またnoteでは定期購読マガジンという月額制で記事を販売できる機能が存在します。こちらはサブスクリプションと呼ばれるモデル(継続課金モデルとも言います)です。
最近の流行りでサブスクと呼ばれるようになりましたが、昔の牛乳定期配達や月極駐車場などの定額利用できるビジネスはすべてサブスクに分類されるのでモデル自体は以前から存在します。
サブスク自体は1.0~3.0までの定義があり、牛乳や駐車場はこれの1.0になります。
インターネットと高速通信の発展で普及した、サブスク2.0に位置づけられる動画配信、音楽配信電子書籍などのデジタル配信サービスが普及したタイミングでサブスクという単語も定着しました。
サブスクリプションのもう少し詳しい内容は下記あたりを参考にしていただければと思います。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasmin/202011/0/202011_33/_pdf/-char/ja

メリット

デメリット

  • 手数料が発生する

■株、国債

他のビジネスモデルと違いこちらは資産運用のモデルになります。ほかのビジネスモデルはモノやサービスを提供することで対価としてお金をもらうという構図でしたが、
こちらは株式や国債といった金融商品を購入し、得られる金利で収益を上げるという方法です。一度取引をしてしまえばあとは果報は寝て待て状態ですので、拘束時間がほぼないのが最大のメリットです。他の業務をしつつ、収益を資産運用で少しずつ増やしていくということが可能です。

株や国債は難しいイメージですが、最近は国がNISAを推奨していますし、インデックスファンドと呼ばれる信託会社に投資したり先進国の国債を購入するのはそこまで難しくないです。
銀行の定期預金と同程度かそれ以下のリスクで、定期預金よりも高い金利を得ることができ、手数料も0~数%程度ですので興味のある方は試してみると良いと思います。

ただし年間5~10%程度の利回りが現実的でそれ以上を狙うのはハイリスクになってきますので、この方法で自立するには元手が潤沢にある必要があります。
例えば元手が5,000万円ある人が年間利回り10%の場合、1年後に得られる利益は500万円です。

また株価、国債は世界情勢の影響を受けますので、最近だとウクライナとロシアの戦争や、日本やアメリカの金融政策で株価が大きく下落することもあります。それらの影響で自分の資産が急激に目減りすることで精神的にダメージを受けることもあります。
そのため10年以上の長期保有を前提として局所的な株価の変動は気にしないような心づもりでいることが大切です。

メリット

  • 拘束される時間が少ない

デメリット

  • 利益率が高くない

  • 急激な株価の変動で精神的にダメージを受けることもある

まとめてみて思ったこと

フリーランスのビジネスモデルをまとめてみたところ、
従来の実店舗やECサイトでの物販モデルだけでなく、youtubeなどのエンタメ提供による広告収入モデルやnoteのフリーミアムモデル個人で簡単にできるようになってきている印象でした。
これまで物販モデル(とアフィリエイト)一択だったことを考えると、とても良い傾向に感じました。

ただし、これらは基本的にプラットフォームを提供する企業への手数料を支払うことになりますし、この手数料は固定費ではなく売り上げに対する割合であることがほとんどです。
例えば
クラウドソーシング手数料は相場が約10%、
スパチャだと30~50%、
Tiktokは75%
と完全に胴元依存です。

プラットフォーム利用者の総数が大きければそれでも十分利益は取れると思いますが、気になる点としては利用規約変更などで手数料改定があった場合収益に大きく影響を与える点と、それをフリーランス側ではどうすることもできない点でしょうか。

今のご時世、巨大なプラットフォームに参加するのとそうでないのでは販売チャネルの強さに雲泥の差が出ますし、利用しない場合は多くの場合で経験ゼロ実績ゼロの状態では売り上げゼロというのは普通にありえるので基本的にプラットフォームに参加するのは間違いではないですが、
事業規模を大きくしていくのであれば、上記のリスクも踏まえるとプラットフォーム依存から徐々に抜け出すことを前提に事業規模に応じた使い方をしていく必要がありそうだと思います。

またフリーランス全体に言えるデメリットは基本的に体一つでお金を稼ぐので、働けなくなった場合の収益を確保するのが難しい点です。
とくに個人店舗経営やデザイナー、エンジニア(私も含む)のフリーランスは物販モデルが基本になると思います。
逆にYoutubeの動画や株、国債は働けなくなっても収益が見込めます。
ただしYoutubeなどの広告収入だけですと毎月に売上が安定しないといったデメリットもありますので、収益安定化のためにも複数のビジネスモデルを組み合わせた事業の進め方をしていくのが安心かもしれません。

今回はこんなところでしょうか。
中小企業のビジネスモデルについても今度まとめてみようと思います。

本日は以上になります。ありがとうございました!